紫禁城または北京の故宮は、中華人民共和国の北京に所在する旧王宮、歴史的建造物。「北京と瀋陽の明・清王朝皇宮」の一つとしてユネスコの世界遺産(文化遺産)となっている。面積は 725,000m² あり、世界最大の宮殿の遺構である。現在は、博物館(故宮博物院)になっている。
元の時代に造られたものを明の成祖永楽帝が1406年から改築し、1421年に南京から北京へ都を遷してから清滅亡まで宮殿として使われた。1644年の李自成の乱で明代の紫禁城は焼失したが、基礎が残っていたので後継王朝の清が再建して、清朝の皇宮として皇帝とその一族が居住、および政治の舞台となった。
1912年に清は滅亡するが中華民国の臨時政府の「優待条件」として最後の皇帝溥儀とその一族は、紫禁城の内廷での居住を許された。しかし1924年10月の馮玉祥による北京政変の際、11月5日をもって溥儀以下清の皇族は紫禁城を退去させられた。その後、故宮と呼ばれ、ルーヴル美術館などの例に倣い1925年10月10日より博物館とされた。
1949年、毛沢東は城門の一つである天安門で中華人民共和国の建国を宣言した。現在は建物自体も明と清の歴史を伝える故宮博物院の文物の一つとして一般開放されている。