蘇州四大名園のひとつ。江南に現存する最古の庭園。創建は、五代十国時代の十世紀というから千年以上も遡ることになる。現在の姿は、清代の再興を引き継いだものである
滄浪の名が付いたのは北宋時代。屈原の『漁夫』から取られた。追放され詩を吟じつつ沼沢のほとりを歩いている屈原の前にひとりの漁師が現れる。なぜ、このような哀れな境遇になったのか、との問いに「世を挙げて皆濁れるに、我独りすめり」と。漁師は言う。「聖人とは、世が清ければそれに応じて清くし、世が濁ればそれに応じて自分を濁すもの」と。屈原は言う。「新たに沐する者はかならず冠をはじき、新たに浴する者は必ず衣を振るう」、と。漁師は聞くと、笑いながら船端をたたいて去って行く。去りながら歌う。「滄浪の水が清んでいるなら冠のひもを洗えばいい。滄浪の水が濁っているなら足を洗えばいい」。