上海博物館が今の場所に移転してきたのは96年。鼎の形をした重厚な概観の建物で、上海の発展・繁栄を示威するかのように建っている。
上海の「重心」とも言えるこの辺り一帯は租界時代には競馬場で、紳士淑女達が馬の走りに一喜一憂した場所である。現在は中心に上海市庁舎がそびえ、上海博物館はその正面となる。市庁舎から見て右手には上海大劇院(劇場)が建ち、上海の政治・文化の中心地となっている。
床面積1万平米に蔵される無数かつ歴史ある文物は訪れる人々を圧倒する。「書画骨董はよくわからない」という人でも、無線の詳しい日本語説明が準備されているので充分に中国5000年の歴史を堪能することができる。
じっくりまわれば一日を要する場所だが、自分の興味に応じてさらっと見ることもまた可能だ。上海の中心で、どこからでも便利な場所にあるので、観光の合間にちょっと時間が空いたら是非訪れてみてほしい。