国連が「春分の日」を国際太極拳デーに制定、武術で初
ウズベキスタン・サマルカンドで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)総会は11月5日、毎年3月21日(北半球の春分の日)を「国際太極拳デー」とする決議を採択した。国連システムにおいて武術項目が国際日となるのは史上初めて。これは太極拳の「平衡・平和・調和」の核心理念が、人類の健康と文明交流にとって重要であるとするグローバルなコンセンサスが得られたことを意味する。

武当山で文化フェス開幕、世界30カ国から愛好者集う
一方、中国湖北省の武当山では10月25日、「天下太極会武当、武当太極和天下」をテーマとする2025国際武当太極文化フェスティバルが開幕した。世界30以上の国と地域から集まった賓客と武術愛好者が、玉虚宮での開幕セレモニーに参加。六大武術門派による「千人太極」の演武などが披露され、太極文化の継承と活力を世界に発信した。

世界に広がる太極拳、ユネスコ無形遺産から国際デーへ
太極拳は中国に起源を持ち、哲学と中医の知恵を融合させた武術として、180以上の国と地域に広がり、数億人に練習されている。2020年にユネスコ無形文化遺産へ登録されたことに続き、今回の国際デー制定により、その普遍的価値が改めて国際社会に承認される形となった。春分の日は昼夜の長さが等しく、太極拳が重視する「天人合一」の哲学にも合致する。
グローバルな普及拠点としての武当山
武当太極拳の本山である武当山は、その普及の中心的役割を果たしている。武当武術協会は世界に21の国際普及センターを設置し、これまでに300万人以上の海外弟子を育成。毎年1000万人を超す国内外の訪問者が武当山を訪れ、太極拳を学び、健康増進と文化的探求を目的とした交流を続けている。

